よくある誤解 / 07
AIの出力は、学習画像を切り貼りした「盗品」にすぎない?
結論
代表的な潜在拡散モデルは、元画像の断片を検索して貼り合わせる装置ではありません。
もう少し詳しく
代表的な潜在拡散モデルは、元画像の断片を検索して貼り合わせる装置ではありません。 ただし、その仕組みだけで、出力が常に他人の権利を侵害しないとも言えません。
なぜ「切り貼り」では説明できないのか
原著論文の方式は、画像の情報を圧縮して扱う潜在空間でノイズの除去を学習し、画像を合成します。一方、別の原著研究は、対象の拡散モデルから学習画像を再現・抽出できることを実験で示しました。単純な切り貼りでないことと、記憶した表現が再現され得ることは両立します。
この説明で言えないこと
全AIが同じ方式、再現が起こらない、全出力が「盗品」または非侵害、とは言えません。抽出研究も全出力での頻度や法的侵害を一括認定していません。自作素材を用いた表現の試作にも利用できますが、公開時の権利判断は具体的な出力と利用方法に基づいて行います。
一次資料のどこに書いてある?
- Rombachほか『High-Resolution Image Synthesis with Latent Diffusion Models』(CVPR 2022):§3、特に3.1・3.2(生成方式)。
- Carliniほか『Extracting Training Data from Diffusion Models』(USENIX Security 2023):Abstract・§4(画像抽出実験)。
- 文化庁『AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス』(2024-07-31):本文p.26、4-1-5(生成物と既存著作物の類似性の確認)。